第二回埼玉県建築文化賞住宅部門、最優秀賞受賞。文化の香りが漂う粋な住まい 「七左の離れ屋」

所在地:埼玉県越谷市
主要用途:住宅 新築
敷地面積:211.40 ㎡
建築面積:77.25 ㎡
延床面積:122.28 ㎡
構造/工法: 木造伝統的構法
規模:地上2階 新築
竣工: 2009年12月

古き良き日本の住宅をつくる。
それはただの民家ではなく、文化の香りが漂う粋な住まい。

住まう為の機能だけに偏らず、暮らしに色気を求める建主さんから、モダンで美しい日本家屋を依頼されました。

場所は埼玉県越谷市の区画整理地にあります。
まだ周囲にも建物は少なく、これから増えていく可能性のある宅地でした。

私にとって日本家屋の印象は、
建物と庭がセットであること。
建物の外部が、どこかの窓から見えること。
そんなイメージがありました。

周囲を将来建物に囲まれてしまう可能性を考慮し中庭をつくることを提案しました。中庭をつくる事で、手前の座敷をリビングから望むことが出来るようになりました。

ひとつの中庭が、建物の印象や、雰囲気を変えるきっかけとなったのです。手前を平屋の離れ、奥を二階建ての母屋として渡り廊下と中庭で二つの建物をつないでいます。
玄関から座敷、渡り廊下は徹底的に美しい数奇屋づくりを目指し、奥の母屋は、小さな子供たちの攻撃にもびくともしないタフな民家づくりとしました。

一見不揃いなテーマに思えますが用と美を兼ね備えた現代的な日本家屋になりました。

材料にも徹底的にこだわりました。
木材だけに留まらず土、瓦、石、紙、鉄、畳、塗料、糊といった建築材料に国産であることはもちろんのこと、多くを近県から入手し、職人の手づくりによって仕上げられました。
これは建主さんと私のこだわりの結晶でもあります。

日本にはまだまだ埋もれた技術と材料が眠っています。