築150年程経った古民家を、若い夫婦との同居を機にリノベーションした 「明治元年の家」
所在地:埼玉県羽生市
主要用途:住宅
工事内容:古民家再生(リノベーション)
延床面積:168.88 ㎡
構造/工法:木造伝統構法
規模:平屋
竣工:2017年8月
ご子息が結婚され、今後同居を検討されている中で始まった改修の計画でした。
お客さまからは、築150年程経った古い建物に、若い夫婦が戻りたがるだろうか?
そんな不安な声を聞きました。
建物の実測調査を行ったところ、躯体は至って健全な状況である事がわかり、柱や梁を活かしながら、若い世代が住みたくなる様な、現代的なテイストの古民家再生をご提案しました。
特に土間空間は、和洋折衷のややノスタルジックな空間に。
そして、主寝室は古民家風ホテルを意識した天井の高い空間をつくることにしました。
全体的には、その時代その状況に行き当たりばったりの増改築をされ、継ぎ接ぎだらけの住まいになっていましたが、明るく清潔な水廻りをつくる事、そしてプライバシーの確保されたゆったりとした個室をつくる事、寒さ対策をする事を中心に、できる限り明治元年に出来た当初の形に戻すイメージを持って、土間や露出した梁組などを復元しながらまとめました。
今まではただ広いだけの印象であった家全体が、各部屋に役割が割り振られ、使う側にとっても使いやすく、程よい距離感を持って住む事の出来る家に蘇りました。
建物は全体として歪んでいたり、少し倒れていたりしましたが、大変堅牢な骨組みで、今後100年間も十分生き延びられる建物でありました。
次のリフォームやリノベーションを見据えて、今後の改造がし難くならない様に、出来る限り分かりやすい工事を心がけました。
次の世代、その次の世代にも受け継がれる家であり続けて欲しいものです。