2006年「住む。」18号掲載
設備や仕上など、トータルコンセプトとして、 可変性、長寿命性をカタチにした「那須の山荘」
所在地: 栃木県那須町
主要用途:住宅・モデルハウス
延床面積:92.54 ㎡
構造/工法:木造伝統的構法・石場建て
竣工: 2005年
予算を掛けず、最低限の仕様でも実現できるオーダーメイド家づくりをテーマに、けやき建築設計の木の家モデルとして計画したのが那須の山荘です。
当初におカネを掛ける部分を構造などの普遍的な部分に限定し設備や仕上など、可変的な部分には極力予算を掛けず、更に当初必要のない部分は徹底的に削除しました。
この中で最も大切にしたことは、脱着しやすいつくりにしたことです。
基礎をつくらず、床を高床式にした事もそのひとつですが、とにかく後からメンテナンスしやすく、足したり引いたりすることも容易にできるようにしました。
家は中に住む人と共に成長、変化出来るものでなければならないと考えています。
家を建てた時のまま凍結されてしまう家はすぐに住み心地が悪くなってしまいます。
住まい手の状況は刻一刻と変化しています。
その変化に対応しきれる家でなければ長く住み続けることは出来ないのです。
日本の近代住宅が諸外国に比べて短命である理由のひとつもここにあると思っています。
間取りだけでなく、設備や仕上など、トータルコンセプトとして、可変性、長寿命性をカタチにしたのがこの「那須の山荘」です。
木の家やオーダーメイドの家づくりを予算が理由で諦めようとしている方には選択肢の一つとして、是非ご覧いただきたいと思っています。